暑くて眠れない、シャワーも浴びれない・・・台風による停電・断水被害を経験して思ったこと

私は千葉県のとある市内に住んでいます。

この度台風15号の被害によって停電と断水を経験しました。

2日めの夜に電気と水道が復旧して、丸2日間の経験でしたが思いの外、精神的・肉体的な厳しさを味わいました。

その2日間の台風被害の経験を記したいと思います。

思い返すと9月8日の深夜、千葉県を台風が縦断しました。

夜9時の段階ではあまり雨風もなく、ニュースで言っていた大型の台風とは思えないほど静かな状態でした。

今思えば正に嵐の前の静けさでした。

深夜12時を過ぎたので、眠りにつくと徐々に外が風の音が気になり始めました。

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台風が牙を見せた

明け方の4時頃、暴風雨の凄まじい轟音で寝床から起きました。

すると窓ガラスに雨が叩きつけられ、サッシの下から雨が室内に溢れるほどの雨量です。

雑巾を用意して、必死に拭きまわりました。

30分ほどすると、ようやく雨量が落ち着いてきて室内への浸水は止みました。

少しホッとした瞬間、バチッと音とともに停電しました。

懐中電灯を手にブレーカーに向かうと落ちたわけではなく、地域の停電だと分かりました。

すぐに復旧すると思ったのが悪夢の始まりでした。

停電・断水1日目

夜が明けて電気と共に水道が断水されているのが分かりました。

ウチは集合住宅なので、水道はポンプで汲み上げているせいでした。

5階に居住しているので最初は屋上タンクの水が少し出ていまいしたが、しばらくすると完全に蛇口から水が出なくなりました。

まずは落ち着こうと朝食の準備に取り掛かりました。

ガスは生きているので、まずはお湯を沸かしました。

レトルトパックのご飯があったのでパックのまま煮沸して、味噌汁もインスタントがあったので、お湯を注ぎます。

ほぼ普段と変わらない食事を摂って、仕事先に停電による業務が出来ない旨を連絡しました。

いつもデスクトップPCで仕事してますが、ノートPCならば電源の通ったホテルでも仕事が出来るのでこれからの反省材料にします。

昼前になって室温が30度を超えてきたので、自宅から遠くの場所にあるスーパーに車で買い出しに行くことにしました。

すると予想はしていましたが、強風雨により大きな街路樹が至るところで倒れていました。

歩道に埋め込まれた街路樹が強風により倒れていました。
公園の木も倒れていました。

昼時だったのでコンビニに寄りましたが、停電でも営業していました。

店内に入ると薄暗い中にお客さんが20人位いました。パンや弁当、おにぎり類は全て売り切れています。

仕方ないのでお茶を買って、バナナとバームクーヘン、おせんべいを買って腹の足しにしました。

スーパーに向かう道路では至るところで信号が風で向きを変えて、電気が来ていない状態の箇所だらけでした。

昼間で交通量が多いので、そこはお互いが慎重な運転をして、譲り合いをして衝突を避けていました。

ようやく目的のスーパーに到着すると、地元とは別世界が広がっていました。

それは電気も来ているし、品揃えも災害前と変わりません。地元のスーパーは停電で営業出来ないのと比べると豊かな世界が広がっていました。

帰っても停電しているので、今日食べる分と冷蔵の必要のない缶詰等を購入しました。

フードコートでうどんを食べて家路に就きます。

スーパーや車内は涼しかったのですが、自宅は外の気温と変わらない32度を示していました。

だんだん日が落ちるのが早くなってきているので、暗くなる前にロウソクを探し出しました。

夕方になり、ロウソクを付けるとほのかな明るさを灯しました。

暗くなりゆく中で夕食づくりを始めました。

お稲荷さんや巻き寿司など温めなくても食べられるものを用意し、お湯を沸かしてスープを作りました。

外も完全に暗くなって、室内ではロウソクを灯しながら夕食を戴きます。

食事を終えると普通はテレビやインターネットを見ますが、こういう時はスマホで情報を得ます。

主な情報源はツイッター。市役所の公式ツイッターや同じ市内に住む人のつぶやきを見て不安な気持ちを落ち着かせます。

すると今日中の復旧は難しく、明日以降という事だけ分かりました。

明日以降と言っても明日中なのか3日後なのか分からず不安感が増しました。

今日行ったスーパーでスマホ用のモバイルバッテリーを購入しましたが、元々あった電気量が少なかったので、満充電しても70%までしか充電出来ませんでした。

バッテリーを節約する意味でもあとは寝るだけです。たまにトイレに行きますが、断水なので風呂の水を毎回流すようにしました。

この日は少しおかしな事があって、朝イチで同じ共同住宅に住む人が共同水道を使って洗車していました。

今考えると飲料水も共同水道も同じタンクの水を使っているので、洗車した分飲料水が減ってしまったので、余計な事する人だなと思います。

暑さにうなだれながら、眠りへとつきました。正確にいうと横になっているだけで暑さで眠れません。

いつもクーラーを付けながら眠りますが、30度を超える室内ではとても眠れません。汗を流しながら横たわって朝になるのを待ちます。

停電・断水2日目

暑さでほとんど眠れず、朝の5時過ぎに起床しました。

昨日の朝食と同様、お湯を沸かしてレトルトパックのご飯と味噌汁を食べました。

通常ならば食後にすぐ仕事するのですが、停電の為に出来ません。取引先に今日も出来ない旨を連絡します。

あとは何もする事がありません。この時に黒沢監督の7人の侍を思い出しました。

あらすじは、ある地方に山賊が出て、幾つもの村が襲われて被害が出ていました。自分の村にも山賊が現れるのを恐れた村長が町で腕に覚えのある侍を7人集めて、山賊に備えます。

その時に村にいる村人達は昼間の仕事が終わると何もせずにぼーっと自宅でたたずんでいます。

その映画の中の村人と今の自分がオーバーラップしてしまいます。本当にやる事がないし、体力も使いたくありません。

やる事といえばスマホでツイッターを見る事だけです。自分の地域がいつ復旧するか知りたくて数分おきに閲覧していました。

すると自分の住む地域の停電復旧が今日以降との情報がありました。

少し希望が見えた気がしましたが、今日以降といえば今日中とも言えるし、明日以降とも言えます。

今日中の復旧を信じ、もしもの事を考えて集会所へ生活用水を貰いに行きました。

ポリタンク一杯に水を入れて自宅に戻りました。少し水が使えるようになったので、気分が多少楽になった気がします。

そうこうしているうちに昼食の時間となったので、昨日購入した食パンと缶詰等を食べました。

食事していると汗が全身から吹き出てきます。汗を拭きながら完食しました。

午後からは動く度に汗が出るので、あまり動かず省エネ戦法にしました。

何もする事がないので、ひらすら時間が過ぎるのを待ちます。

そうするとあっという間に夕方を迎えました。ツイッターで今日中の停電復旧という情報もホントなのか気持ちが揺らいで来ました。

ロウソクをつけて、夕食はパンや傷む前に佃煮のようにした肉や魚を汗をダラダラ流しながら食べました。

「今日中の電気の復旧は無理かな・・・」

諦めの気持ちが湧いてきました。

停電の復旧

夕食後、スマホで相変わらずツイッターを見ていました。

市内では次々と電気の復旧したという喜びのツイートがされていました。

すると同じ市内の利用者から市内が復旧したという紛らわしいツイートをするなという怒りのツイートがありました。

幾つかのアカウント同士で喧嘩が始まりました。みんなイライラしているのが分かります。

同じ災害を受けたものとして、喧嘩しなくてもいいのになと思いながらツイッターを見ていると突然ピンポーンという音と共にパッと電気が付きました。

この瞬間喜びの気持ちに溢れました。この時の気持は一生忘れないでしょう。

時計を見ると夜の8時になっていました。昨日の早朝から始まった停電も丸2日間経過していました。

正直、精神的にも肉体的にも限界でした。たった2日間でしたが、日中は35度位まで気温が上がっていたので、とてもシンドく感じて体感的には1週間位に感じました。

電気が復旧してまずした事はお風呂。頭や身体もベタベタになっていたので、とても気持ちよかったです。

10時過ぎに車で開いているスーパーに買い出しに車で出かけました。すると近くの住宅はまだ電気が復旧していません。大変だなと自分も体験しただけに感じました。

スーパーに到着するとパンやお惣菜は全て売り切れていました。梅干しや昆布の佃煮は置いていたのでそれを購入しました。

またビールやジュースは売っていたのでこれも購入し、家路に就きました。途中の道でコインランドリーが満員だったので、家で洗濯出来ない家庭が多いのでしょう。

停電・断水復旧から5日経って

電気が復旧して次の日から仕事を再開しました。関連会社に挨拶をして、溜まっていた仕事をこなしていきますが、停電中の2日間は特に暑かったので熱中症、脱水状態になったのでしょう。仕事復帰の初日は体調が今ひとつで疲労感を感じながら仕事をしていました。

5日経ってようやく精神的にも肉体的にも回復してきました。今振り返ると壮絶な2日間だったなと感じます。

台風15号の災害から1週間経って、未だに千葉県内には復旧していない地域があります。

復旧が進んでいないのに、激しい大雨が9/16未明にあるようです。

屋根が取れてしまった家には更なるダメージを負うことになります。

たった2日間の停電でも辛い経験だっただけに、1週間経過しても先行きの見えない状況に心を痛めるばかりです。

政府や千葉県の力を結集して出来るだけ早い復旧を望んでいます。

Yas

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Yas

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