CADオペレーターという職業はご存知でしょうか?
今回の記事では私が経験した建築系に限定しますが、建物を建てる為には必ず図面が必要となります。
その図面を作る上で構造設計、設備設計、意匠設計というように構造と設備、デザインの設計を経て、現場にて施工管理しながら実際の建物を作るわけです。
構造でも設備、意匠でも図面を作る必要があります。昔は手書きで図面を作図していますが、今はパソコンで図面を作成し、そのソフトの事をCADと言います。
そのCADは設計、施工する人も使うのですが、全ての図面を作る時間的、マンパワー的なものが不足します。
その不足分を補うべく、彼らの指示の元に図面を作るのがCADオペレーターと言われます。特に生産設計と言われる分野ではCADオペレーターが多く必要とされます。
その役割から設計補助とも言われますが、昨今の状況ではただ単に設計士、現場監督からの指示を待っているだけではなく、自分でも考え、調べながら図面を作るスキルも求められます。
そういった意味でもCADオペレーターの人材は不足気味なので、求人は多くあります。
しかし自分は建築学科も卒業していないし、40~50代になってそれまで建築の仕事をした事無いので、CADオペレーターにはなれないんじゃないか?と思う方も多いと思います。
実際、建築学科を卒業した方が有利だし、建築の仕事を経験した方の方が理解力もあります。
でも自分はやってみたいんだという意欲があれば、努力は必要ですが必ずCADオペレーターになる道はあります。
ではどうやってCADオペレーターになるかの道筋を3つ程示したいと思います。
正社員として就職
この方法が一番正道かなと思います。
会社の規模にもよりますが、初めにCAD研修があります。
そのCADで使われる線分や文字、移動、コピーなど基本的な操作を上司から教えてもらいます。
まずは自由に触ってみてどのような入力で描かれていくのか、実践してみて操作するのが一番でしょう。
独学と違うのは、分からない場合は上司に直接質問できる点が一番のメリットだと思います。
ある程度経験を積んだ人ならば自分で調べながら出来ますが、全くの初心者だと分からない点が分からない状態だと思うので、上司からの指示を受けながら道筋通りに学習をしていけば、ある一定期間で業務に参加できるでしょう。
この研修ですが、中小企業よりも大手になればなるほど研修体制はしっかりしている印象です。
中小企業だと研修は最小限にして、OJT(業務を行いながら学んでいく)を通じて学ぶところが多いと思いますが、大手では研修の時間が多く取られていて、業務に入る頃にはかなりのスキルが身につきます。
それなので、給与面にしても中小企業の方が高く設定されていて、大手の方が初任給は少ない場合もありますが、基礎教育がしっかりしている大手の方が、後々を考えると選択した方がよいかもしれません。
デメリットを挙げるとすれば、20代ならば正社員として登用してくれる企業が多いのですが、30代以上で未経験者だと採用する企業は少ないと思います。
他の方法で経験を積んだ後に、改めて正社員に応募した方が採用の確率は高いでしょう。
いずれにしても未経験者がCAD技術を身につける上で一番良い手段は正社員として入社する事だと考えます。
派遣社員として就職
この方法も正社員として就職するのとあまり変わらない方法です。
入社して研修を受けて業務に携わるのは同じ流れだと思います。
正社員と比較して何が違うかという点ですが、業務に対する立ち位置が変わる事が多いです。
それは何かというと、一つのプロジェクトがあってそれを管理、指揮するのが正社員ならば、派遣社員は正社員から指示を受ける形が多いです。
つまり責任の重さという点では正社員の方がより重くなり、その分給与や待遇に差が出てきます。
また、正社員は会社から解雇するには、それ相応の理由が必要で、余程の事がない限りは解雇しにくい仕組みになっており、正社員は強い立場にいるとも言えます。
しかし派遣社員の場合は3ヶ月更新などの契約の為、次は更新しないという決定がしやすいので、正社員よりも不安定な就業と言えます。
逆に介護や子育てをしている方が、正社員として責任の重い立場で働くよりも、定時で帰宅しやすい派遣の方が良いという方もいます。
待遇面、仕事の責任という面では正社員の方がメリットが大きいですが、派遣社員の立場を理解した上で就業するならば、このような方法も良いと思います。
業務委託で就業する
いわゆるフリーランス(個人事業主)として業務委託を受ける就業形式です。
この働き方が一番自由度は高いのです。
フリーランスと言われる方は殆どの人が会社に就職し、その後に退社して、就業中に身に着けた知識や技術を使って個人的に営業しながら、個人で仕事をしていきます。
業務時間や休みなど自分で決めるので、午前中は私用を済ませて、午後から仕事をする事が出来ます。
営業がうまくいき、仕事量も会社員時代と変わらずに出来ればフリーランスとして成功したと言えるでしょう。
しかし営業がうまくいかずに、仕事量に波がある場合は収入に反映されてしまうので、経済的には苦しくなります。
また、未経験者がいきなり業務委託して貰える確率はとても低いと言わざるを得ません。最低でもスクール等で最低限の技術を学んでおく必要があります。
未経験でもスクールを卒業したとなれば、業務委託の可能性は高まりますし、スクールによっては就業支援、紹介してくれる所もあります。
正社員でもフリーランスでも変わらないのは、基礎を身に着けて終わりではなく、分からない事があれば積極的に学ぶ姿勢は大事です。
書籍を購入したり、土日に開かれるようなセミナー参加も良いし、ネット上では自分が分からない点の回答がいくつもあるので、ネットも学びの場として価値があります。
まとめ
以上3つの方法で未経験からCADオペレーターになる方法を挙げてみましたが、全てを経験した私から言える事は自分が選択した就業方法で、学ぶ姿勢を忘れずに頑張っていけば、次のステージは必ず開かれてきたので、未経験でも諦めずにCADオペレーターの世界に足を踏み入れて欲しいと思います。
CAD技術は一度身につければある意味一生モノだと言えます。意外に稼げる職種だと思いますので、その記事を載せておくので、チェックしてみて下さい。
これからの主流となるCAD
最近では2D CAD(二次元的に線や文字で描く図面)だけではなく、3D CAD(立体的に描く図面)の需要も高まってきています。
3D CADの場合、研修の期間が2D CADよりも沢山行う必要があり習得が難しいCADですが、これからの時代は主流となると思われるCADなので、2D CADを習得したら挑戦してみる価値大です。
就職先を探すのは何が効率的?
最後に僕が就職する手段として、大学の就職課や教授推薦で就職しました。また、転職する時は当時DUDAという雑誌が売っていて、それを見て応募しました。
現在ではネットが主流の時代なので、意中の企業のHPを見てそこから応募するというのも良いのですが、就職エージェントを通じて就職した方が企業からの信頼度が増します。
どういう事かと言えば、学生時代に個人で直接応募するよりも就職課を通じて応募する方がスムーズだと思います。
逆に言うと営業的に個人で動いても会社側のリアクションは薄いです。これは身をもって体験しましたし、個人の社会的信用度は低いです。
正社員を目指すのも派遣、業務委託を探すのも、就職エージェントを利用しない手はありません。
僕が仕事を得るために利用したサービスを紹介しますので、一度覗いてみる価値はあります。ぜひ手に職を得られるCADオペレーターを目指してみて下さい。
株式会社RSG
建設業界に特化した転職エージェントのサービスです。基本的に無料でサービスを受けられます。
担当者に自分の経歴や得意な事、目指したい方向性を伝えると、自分にあった企業を紹介してくれます。
自分で選ぶよりも客観的に見てもらう方が、考えてもみなかった企業を紹介してくれるかもしれません。
相談したからといって必ずしも求人に応じなくても良いので、相談だけするのも今後の方向性を決められます。
是非ともエントリーだけでも価値あるサービスです。
【RSG】建設業界専門の転職エージェントシーモス
CAD技術を学ぶのは今の時代、ネットや書籍で独学するのも一つの手ですが、通信教育で学ぶのも効率的な勉強方法だと思います。
リンク先では回路設計者向けに記事を書いていますが、CAD操作を学べる通信教育も紹介しているので、安価に学べるシーモスも検討の価値ありです。
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