まず断っておくのは僕自身、野球は未経験です。ちなみに僕のスポーツ歴ですが
小学校:卓球
中学校:陸上(100m・走り幅跳び)
高校:柔道(黒帯)
大学:空手
社会人:筋トレ(ベンチプレスがメイン)
球技の経験すらありません。こんな僕が何を提案出来るのか?
母校が甲子園にここ10年で数回出場するようになりました。レベルの高い生徒が野球部に入ってきているのも確かですが、その強くなった一因として筋トレの専門家を野球部に指導者として担当して貰ったのも大きいと思います。
僕自身、筋トレに学生時代から熱中して、社会人になってからベンチプレスに取り組んだら170kgまで挙がるようになりました。
ベンチプレスをやるようになって気づいたのは、力があるから挙がるのではないという事です。というのも身体の使い方次第で人間凄い力が発揮できるのだなと思いました。
その身体の使い方というのは体全体の連動です。バッティングにせよ、ピッチングにせよ下半身から上半身にうまく力が連動してこそ競技者として高いパフォーマンスが発揮出来ると思います。
これは野球に限らず、他のスポーツにも身体の使い方、力が連動する感覚が得られれば応用が効きます。
この力の連動するメカニズムを見ていきましょう。幾つかの筋トレ種目を説明していきます。
まずは注意事項
野球する上で避けなければならない事は筋トレで怪我をする事です。
筋トレ初心者ほど、やり始めると面白いように筋力が伸びていきます。
すると野球の補強のはずが重量を追い求めてしまいます。これは本末転倒で、筋トレする事で野球のパフォーマンスをアップさせたり、怪我防止に役立たせるハズが、重さを追い求めると怪我のリスクが高まります。
扱う重量は個人ごとの筋力次第ですが、低重量、中重量、高重量とあれば必ず中重量以下のバーベルやマシンを使用して下さい。
野球を続けながら、筋トレフォームにも自信がついた所で初めて高重量を扱えると思います。
トレーニング日程
月曜日:ベンチプレス(胸)・ダンベルカール(上腕二頭筋)
火曜日:休み
水曜日:スクワット(足全体)・レッグエクステンション(大腿四頭筋)・レッグカール(ハムストリング)
木曜日:腕立て伏せ・腹筋
金曜日:プルダウン又は懸垂(背中)・ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
土曜日: 腕立て伏せ・腹筋
日曜日: 休み
ベンチプレスと腕立て伏せは鍛える対象がほぼ一緒なので、連続させてやらないようにして下さい。
ベンチプレス(胸・上腕三頭筋・肩前側)
まずはベンチプレスを例に説明していきます。
- ベンチプレス台には10回前後挙がる重量をセットして下さい。これが1、2回しか挙がらない重量をセットしないで下さい。
- まずはベンチプレス台に寝てから足を踏ん張ります。足の踏ん張りを上半身に伝えるので、ここは大事なポイントです。
- 胸を大きく張って、肩のベンチプレス台に触れている部分をベンチプレス台に出来るだけ押し付けます。バーベルを持ち上げた時に肩は押し付けたままにして下さい。これが持ち上げると同時に肩が浮くと怪我の原因になります。
- 踏ん張った足の力を上半身に伝える為、バーベルを挙げる瞬間に足で思いっきり床を蹴って下さい。その時に垂直に蹴るのではなく、床をこするように、頭側に力を伝えるように蹴ります。蹴った力をバーベルに連動させて下さい。
- バーベルが挙がったら、コントロールして胸におろして下さい。ダメな例が勢いよくバーベルを胸に下ろして、バウンドさせる事です。バウンドさせると次の動作は楽になりますが、怪我の原因になります。
- ウォームアップセットを3セット、メインセットを2セットやってみて下さい。物足りなくてもやり過ぎ厳禁です。
ベンチプレスによって上半身のほとんどの部分が鍛えられます。バッターであれば飛距離が伸びるでしょうし、ピッチャーであれば球威が強くなるでしょう。
説明にもありますが下半身の踏ん張る力が上半身に伝わるイメージで行って下さい。上半身だけで挙げるのはNGです。
体全体の連動性を意識するのが目的で、高重量を挙げるのもNGです。
スクワット(足)
次にスクワットの動作説明していきます。
- スクワットをやるならば、パワーラックがベストです。潰れた時に両側にセイフティーラックがないと腰や膝を怪我します。
- 回数は5~10回になります。回数に幅を持たせたのは、スクワットがキツイ種目なので、自らの筋持久力によって回数を決めて下さい。
- 立ち方ですが、カカトに体重やバーベルの重みが掛かるように立って下さい。重心はつま先型やカカト型に分かれますが、カカト型を推奨する理由として、一番安定する重心だからです。つま先重心だと最悪前につんのめって腰を怪我しやすいです。
- しゃがむ深さは膝や足首廻りの柔軟性によります。柔軟性に自信が無い時は無理にフルスクワット(しゃがみ込む)せずにふとももが地面と平行になるくらいで結構です。
- ウォームアップセットを3セット、メインセットを2セット行ってみて下さい。
野球選手にとって下半身は上半身と同じくらい、人によっては下半身の筋力の方が大事という方もいます。
今年亡くなった400勝投手の金田氏は前人未到の大投手ですが、非常に節制した選手としても有名でした。
その金田氏が良く言っていたのが、走り込みの大事さです。下半身を鍛える上で走り込みは現代野球でも同様に大事だと思います。
その補強としてスクワットは有益だと思いますが、この種目では高重量にはこだわる必要はありません。
中重量で走り込みとセットでトレーニングして頂きたいと思います。
プルダウン(背中)
背中の種目としてデッドリフトも考えましたが、この種目は腰の怪我が一番多いです。
また高重量が扱えるので、やはり怪我のリスクが高まります。よってデッドリフトではなく、安全なプルダウンを推奨します。
引く筋力に自信があれば懸垂でも良いでしょう。
プルダウンの注意点として、デッドリフト程ではありませんが、この種目も意外に高重量が扱えます。しかし勢いよく引くと背中と腕の筋肉では、腕の方が弱いので、後ろにあおるように引くと背中は大丈夫でも腕の方が持ちません。
苦い経験として、マシンで重りを全て取り付けたフルスタック状態でやっていたら、左肘の筋がピキンと弾けて切ってしまいました。
野球選手にとって肘の怪我は致命的だと思います。デッドリフトよりも安全とはいえ、この種目も無理をしてはいけません。
腕立て伏せ(ケガ予防)
元ヤクルト、阪神の監督である野村克也監督が自らの著書に中で、大リーグの選手が腕立て伏せによって肘や肩のコンディションを整えていたと語っていました。
野村監督自身も腕立て伏せによってパワーアップと同時に怪我しにくい体つくりをしていました。
僕もベンチプレスで肘を痛めた時に腕立て伏せをやる事で、患部の血流促進になって治りが早かったように思います。
膝であれば自重のスクワットも同様、怪我防止になります。
まとめ
今回おこがましくも野球選手に役立つトレーニングを提案してみました。
細かく言えば、投手と野手、捕手ごとにトレーニング内容は異なりますが、大まかに共通するトレーニングを考えました。
思い出すと、野球部の同級生はみんな運動能力が高かったように思います。
僕の学生時代は約30年前になりますが、運動部の中でも特に根性論が強かったように見えますし、今もどこかそういう部分もあるかと思います。
しかし、ベンチプレス及びパワーリフティング、筋トレをやっていると他の競技にも役立つ筋トレが出来るのではないだろうかと考えるようになりました。
一度2ヶ月間、ボクシング教室に通った事がありますが、最後のレッスンでスパーリングをやる事になりました。
僕の対戦相手は空手の黒帯でした。僕は空手はかじった程度なので空手で対戦したら、ノバサれますが、ボクシングルールである程度ガチでやったら筋力に勝る僕のフックが入って相手はダウンしました。
ベンチプレスで鍛えた筋力は他の競技でも役立つのだなと感じた瞬間でした。これが球技に直接応用出来るとはいいませんが、力の連動や筋力は少なからず野球に良い影響を与えると思い今回の記事としました。
話半分、いや4分の1でも構わないので、筋トレによって野球をやっている方のプラスになれば幸いです。
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